音楽家、池谷隼人の日頃の想いや音楽についてを自由気ままに書き綴っていきます。
皆様のコメントやメッセージをお待ちしております。
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音楽の楽しみ方の一つに、
そのときの会場や楽器の調子、演奏者の体調や気分、お客さんの雰囲気など様々な要因によって演奏はその都度違ったものができることがあり、その違いを楽しむことがある。
例えばオーケストラだったら、同じ曲を同じオーケストラが演奏しているのに、指揮者が違えばテンポや表現、音色までが全く違う場合がある。
ピアノの演奏であれば、その会場に置いてあるピアノのメーカーや機種、鍵盤の重さ、会場などによって演奏の仕方やテンポ、ペダルの踏み方を多少変える。また、同じ機種であっても調律などで状態がそれぞれ異なるのだ。
その他の器楽や、声楽もまた同じだろう。
また、精神の問題もある。
身内に不幸があったときに葬送行進曲などを演奏すれば、普段の演奏よりも深い表現になるかもしれないし、恋愛中に恋の歌を歌えば華やかになるかもしれない。演奏者の精神状態によって演奏は様々になる。
しかし、録音という技術が普及した今日では、そういったことがしにくい時代と言えなくもない。
インターネットでちょこっと調べたところによると、
世間一般に広まった録音技術は、有名なところでは蓄音機が歴史的に最も古いものとして挙げられる。蓄音機は、かの有名な発明家トーマス・エジソン(1847-1931)が開発考案したとされているが、実はもう少し前に発明されていたことが判明したらしい。
録音技術が開発されたのは1800年代後半ということになるようだ。
西洋クラシック音楽史と重ねてみると、ちょうどロマン派音楽が流行した時代の後半から近代音楽と呼ばれる音楽が流行し始めた時代にかけて、といったところだろうか。
クラシックの世界ではラフマニノフ(1873-1943)という作曲家が有名だが、彼自身が素晴らしいピアニストでもあり、録音技術の普及に合わせて彼は録音を残している。
つまり、クラシック音楽をよく知らない人でも知っているバッハやモーツァルト、ベートーヴェンが生きていた頃には録音技術はなく、彼らの音楽を当時どのように演奏されていたかは文献や人伝え等によるものでしかわからないのだが、聞くところによれば録音技術が発明される前は、その都度違った演奏をしていたようだ。
ところが録音技術が普及・流行してくると、当然演奏家の演奏を記録したり、一般の家庭でも楽しんでもらえるように演奏家の録音作業が盛んに行われる。それを聞いた人は、
「この人はこういう演奏をする人なのか!」と思い、演奏者への先入観のようなものが自然に植え付けられてしまうのだ。
演奏家は聴衆がいて成り立つ職なので、ある程度聴衆の期待に応えようとする態度が求められる。つまり、聴衆に植え付けられた演奏者のイメージとは大きくかけ離れた演奏をするには多少勇気の要ることだったのではないかと思う。
このように、録音技術は素晴らしい発明であり便利であるのだが、一方でどこか制限されてしまうような束縛感を否めないのだ。
演奏家は常に、その曲の音楽的な本質を追究して練習し演奏している。それはクラシック音楽に限ったことではない。
本質を追究した結果、再度演奏したときに前回とは違った演奏になることも少なくない。
そして、録音する際には、ライブとはどこか違った何かを感じる。その一つには、「後から聞きなおせる演奏は、ライブよりも一層ミスが許されない・・・」という感覚が強くなり、ライブでの即興的な精神や勢いが弱まってしまうというところにあるのではないかと思う。
演奏する側も聴く側も、それらを理解し踏まえた上で音楽に触れると、より一層音楽を楽しめるのではないだろうか。
そのときの会場や楽器の調子、演奏者の体調や気分、お客さんの雰囲気など様々な要因によって演奏はその都度違ったものができることがあり、その違いを楽しむことがある。
例えばオーケストラだったら、同じ曲を同じオーケストラが演奏しているのに、指揮者が違えばテンポや表現、音色までが全く違う場合がある。
ピアノの演奏であれば、その会場に置いてあるピアノのメーカーや機種、鍵盤の重さ、会場などによって演奏の仕方やテンポ、ペダルの踏み方を多少変える。また、同じ機種であっても調律などで状態がそれぞれ異なるのだ。
その他の器楽や、声楽もまた同じだろう。
また、精神の問題もある。
身内に不幸があったときに葬送行進曲などを演奏すれば、普段の演奏よりも深い表現になるかもしれないし、恋愛中に恋の歌を歌えば華やかになるかもしれない。演奏者の精神状態によって演奏は様々になる。
しかし、録音という技術が普及した今日では、そういったことがしにくい時代と言えなくもない。
インターネットでちょこっと調べたところによると、
世間一般に広まった録音技術は、有名なところでは蓄音機が歴史的に最も古いものとして挙げられる。蓄音機は、かの有名な発明家トーマス・エジソン(1847-1931)が開発考案したとされているが、実はもう少し前に発明されていたことが判明したらしい。
録音技術が開発されたのは1800年代後半ということになるようだ。
西洋クラシック音楽史と重ねてみると、ちょうどロマン派音楽が流行した時代の後半から近代音楽と呼ばれる音楽が流行し始めた時代にかけて、といったところだろうか。
クラシックの世界ではラフマニノフ(1873-1943)という作曲家が有名だが、彼自身が素晴らしいピアニストでもあり、録音技術の普及に合わせて彼は録音を残している。
つまり、クラシック音楽をよく知らない人でも知っているバッハやモーツァルト、ベートーヴェンが生きていた頃には録音技術はなく、彼らの音楽を当時どのように演奏されていたかは文献や人伝え等によるものでしかわからないのだが、聞くところによれば録音技術が発明される前は、その都度違った演奏をしていたようだ。
ところが録音技術が普及・流行してくると、当然演奏家の演奏を記録したり、一般の家庭でも楽しんでもらえるように演奏家の録音作業が盛んに行われる。それを聞いた人は、
「この人はこういう演奏をする人なのか!」と思い、演奏者への先入観のようなものが自然に植え付けられてしまうのだ。
演奏家は聴衆がいて成り立つ職なので、ある程度聴衆の期待に応えようとする態度が求められる。つまり、聴衆に植え付けられた演奏者のイメージとは大きくかけ離れた演奏をするには多少勇気の要ることだったのではないかと思う。
このように、録音技術は素晴らしい発明であり便利であるのだが、一方でどこか制限されてしまうような束縛感を否めないのだ。
演奏家は常に、その曲の音楽的な本質を追究して練習し演奏している。それはクラシック音楽に限ったことではない。
本質を追究した結果、再度演奏したときに前回とは違った演奏になることも少なくない。
そして、録音する際には、ライブとはどこか違った何かを感じる。その一つには、「後から聞きなおせる演奏は、ライブよりも一層ミスが許されない・・・」という感覚が強くなり、ライブでの即興的な精神や勢いが弱まってしまうというところにあるのではないかと思う。
演奏する側も聴く側も、それらを理解し踏まえた上で音楽に触れると、より一層音楽を楽しめるのではないだろうか。
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プロフィール
HN:
池谷隼人
年齢:
39
HP:
性別:
男性
誕生日:
1985/07/26
職業:
演奏家・指導者
趣味:
睡眠
プロフィール:
5歳よりヤマハ音楽教室へ通い、ピアノ奏法に加えて楽典やソルフェージュ、作曲などを学び、13歳でサクソフォンと出会う。
第3~4回静岡ピアノオーディション合格し、受賞者記念発表会に出演。
第14回管楽器個人重奏コンテスト高校生の部 東海大会第2位、中日新聞社長賞を受賞。
第2回ルーマニア国際音楽コンクール管楽器部門第3位を受賞。旧東京音楽学校奏楽堂で開催された入賞者披露演奏会ではバラード(トマジ作曲)を演奏する。
第36回新人演奏会オーディション合格、審査員特別賞を受賞。(東京国際芸術協会)第36回新人演奏会では室内小協奏曲(イベール作曲)を演奏する。
第1回ブルクハルト国際音楽コンクールで1~3位なしの審査員賞を受賞。(東京国際芸術協会)
第25回日本管打楽器コンクールセミファイナリスト。
第15回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルに受講生として参加、選抜受講生によるプレミアムコンサートに出演。
現在、ピアノ伴奏をしながらサクソフォンの演奏活動および後進の指導にあたる。
ソレイユカルテットアルトサクソフォン奏者
トリオ「湊」のサクソフォン奏者兼アレンジャーとして活動中。
第3~4回静岡ピアノオーディション合格し、受賞者記念発表会に出演。
第14回管楽器個人重奏コンテスト高校生の部 東海大会第2位、中日新聞社長賞を受賞。
第2回ルーマニア国際音楽コンクール管楽器部門第3位を受賞。旧東京音楽学校奏楽堂で開催された入賞者披露演奏会ではバラード(トマジ作曲)を演奏する。
第36回新人演奏会オーディション合格、審査員特別賞を受賞。(東京国際芸術協会)第36回新人演奏会では室内小協奏曲(イベール作曲)を演奏する。
第1回ブルクハルト国際音楽コンクールで1~3位なしの審査員賞を受賞。(東京国際芸術協会)
第25回日本管打楽器コンクールセミファイナリスト。
第15回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルに受講生として参加、選抜受講生によるプレミアムコンサートに出演。
現在、ピアノ伴奏をしながらサクソフォンの演奏活動および後進の指導にあたる。
ソレイユカルテットアルトサクソフォン奏者
トリオ「湊」のサクソフォン奏者兼アレンジャーとして活動中。
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スケジュール
・2013/ 3/ 3(日)
静岡音楽館AOI
北山敦康サクソフォンリサイタル
・2013/ 3/ 9(土)
小金井市民交流センター大ホール
Monsieur KUDACCHI~サクソフォンの世界~
・2013/ 3/27(水)
静岡市民文化会館中ホール
静岡高校吹奏楽部 第35回定期演奏会(サクソフォンゲスト出演)
静岡音楽館AOI
北山敦康サクソフォンリサイタル
・2013/ 3/ 9(土)
小金井市民交流センター大ホール
Monsieur KUDACCHI~サクソフォンの世界~
・2013/ 3/27(水)
静岡市民文化会館中ホール
静岡高校吹奏楽部 第35回定期演奏会(サクソフォンゲスト出演)
使用楽器
<Soprano Saxophone>
楽器:YANAGISAWA S992PGP(ネック:銀製PGP「#195」)
マウスピース:Yanagisawa #7
リガチャー:SELMER ピンクゴールドメッキ
リード:Vandoren Traditional 3・1/2
<Alto Saxophone>
楽器:YANAGISAWA A9937PGP
マウスピース:Vandoren A28
リガチャー:魔法のリガチャン、Woodstone ピンクゴールド
リード:Vandoren Traditional 3, 3 1/2
<Tenor Saxophone>
楽器:YANAGISAWA T992 (ネック:管体シルバー、ピンクゴールドメッキ)
マウスピース:Vandoren T20
リガチャー:BG Traditional
リード:Vandoren Traditional 3 1/2
楽器:YANAGISAWA S992PGP(ネック:銀製PGP「#195」)
マウスピース:Yanagisawa #7
リガチャー:SELMER ピンクゴールドメッキ
リード:Vandoren Traditional 3・1/2
<Alto Saxophone>
楽器:YANAGISAWA A9937PGP
マウスピース:Vandoren A28
リガチャー:魔法のリガチャン、Woodstone ピンクゴールド
リード:Vandoren Traditional 3, 3 1/2
<Tenor Saxophone>
楽器:YANAGISAWA T992 (ネック:管体シルバー、ピンクゴールドメッキ)
マウスピース:Vandoren T20
リガチャー:BG Traditional
リード:Vandoren Traditional 3 1/2
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[03/19 池谷隼人]
[03/12 ささかまぼこ]
[12/30 池谷隼人]
[12/30 ねたの]
[05/16 池谷隼人]